水に燃え立つ螢

一度目でも長かった時任。

二度目はもっと長い。


「挿れてって言うんだよ」


激しい愛撫を受けた後、全神経が麻痺する程に、身体全部が感じていた。


あの波が欲しい。

飲まれたい…。

我慢できなかった。



「挿れて…」


時任は、勝ち誇った笑顔を見せた。


「凛ちゃん…好きだねぇ」


もう、どうでも良かった。

あの波を感じるなら…。
あの波に飲まれるなら…。



時任は一気に突き立て、激しい振りで私を見ていた。



波はすぐにやって来て、私は果てた。


今日は鮮やかに見える天井を、ただ力なく眺め、時任が果てるのを待つ。

私を支配した気分の時任は、終始冷めた目をしている。
其処には、愛などない。

愛なんて分からないが、愛がないことは分かる。

『嫁がいるのに、この男は…』

自分の頂点に向けて、ひた走る時任を、私もまた冷めた目で見ていた。


暫くして、何度もイクと口にして、時任も果てた。



「また会えるよね」


時任の言葉に、顔も見ないで答えた。

「…うん」



また1万円を受け取り、流星の待ち伏せを回避する為、タクシーで自宅まで戻った。


シャワーをしながら身体を見た。


夥しい数の、キスマークが残されていた。



『助けて…』



お湯に打たれ、声を殺して泣いた。


時任と別れたい。


初めて自分の感覚で思った。


虚しさが溢れる。


快感に走る衝動を、鎮める術を求めた。