水に燃え立つ螢

それからの俺は、ただ、生きてたな…

仕入れに仕込みに、毎日同じ日々を送っていた。


今から思えば、どの日も明らかに違う日なのに、同じように感じる程低刺激であり、これ以上を求めることもなかった。


あの最後の夜。

雨に降られて凛を抱いた夜。


アイツはどれだけ泣いて、どれだけ心を砕いたんだろう…

俺の辛さは、アイツに比べたらまだまだ軽い。



毎日アイツを思い出し、毎日記憶を辿る。

他の女なんてどうでもいい。アイツじゃなきゃ意味がないんなら、他を望まない。
馬鹿げた時間を使う気はなくなっていた。


『一生、凛を愛してる』


それも悪くない。



俺はもう、それでいい。





記憶の中で、ふてくされたように笑うアイツがいる。

俺を好きだと言って、照れたアイツがいる。

腕に抱くと、壊れそうに震えてたアイツがいる。



『流星…』



消えそうなアイツの最後の声は、いつまでも俺を包み続けていくだろう…



凛…お前に会えなくなって、人生が別々になった今も、俺はお前と会えて良かったんだと思える。

お前と過ごした短い時間が、俺の人生の全てだということも俺自身としては、幸せだという言葉以外見つからない。



この気持ちだけは、お前に送り続けるよ…