水に燃え立つ螢

昔、悪ガキだった頃のツレが『忘年会』と称した飲み会を俺の店でするとかで、久しぶりにツレが集まった。

大きくはない店を貸切にし、料理をしない間はツレと飲んだ。


「流星…昔お前が好きだった凛って女、子供連れてたぜ?」


思いがけず、お前の名前が出た。


「何処で!?」

「俺ん家の近くのスーパー」

「結婚…したんだ…」

「まだ好きなのか?」

「…」

「声かけてねーから、詳しくは知らないけどな」






そりゃ、結婚もするだろう。


だが、何だかショックだった。




もうそれからはお前に会いたいと願うより、ただ、幸せを願うようになった。

生まれ変わって今の記憶があるんなら、俺は必ず凛を見つける。

でも、そんな現実離れしたことは望んじゃいない。


手を離した自分。
茜を選んだ自分。



全部、俺が決めたことだ。




凛とは一緒になれなくても、もう…仕方ないんだ。




凛の話を聞いた夜。

今まで以上にお前を思い出し、眠れぬ夜を過ごした。



記憶に残る、お前の笑顔と匂いに包まれて。