水に燃え立つ螢

高校生の時だったか、一路が単なる幼馴染みではないと気付いていた。しかし、一路との距離を保つ為、決してバレないよう努力した。

また、一路も私を幼馴染みとして見ていないことも感じていた。



だから、来るべき時が来たんだ。



「ずっと傍にいて、自分の感情が何なのか、よく分からなかったんだ」

変な緊張が肺を締め付けて、上手く酸素が入ってこない。

「最愛?」

「あ…ごめん」

「此処、座れよ」

ソファーの左側をポンポンと叩いて、隣に座るように促す一路。


もう、それだけでも恥ずかしい。


「一回しか言わねぇからな」

「偉そうに言うのね」

「俺はずっと、最愛が好きだった」


もう駄目だ。顔が赤くなるのが自分でも分かる。

「最愛は?」

「…私も好きだった」

「言えよ」

「一路こそ!」

「んじゃ、気付けよ」

「一路こそ!」



一路に引き寄せられて、初めてのキスをした。


「初めてだよな?」

「私のどこに、誰かと付き合う時間があったのよ!」

「だよな」


勝ち誇った笑顔で、一路は言った。


「大事にするよ」