水に燃え立つ螢

幼稚園の頃から一緒にいる、近所の幼馴染がいる。男だけどなかなか気が合って、小・中・高と一緒だった。


母が亡くなった時も色々お世話になった家族で、今でも時々、玄関前に夕食を置いててくれる。

仕事を終え、一人で帰る家。
灯りの消えた家。


そんな家の前で、週末だけ待っててくれる。

それが、幼馴染の一路(かずみち)だった。



口は悪い。
愛想も良くない。

だが、優しさは届いてくる。


母が亡くなった時、一路は何も言わず手を離さずにいた。
あの時の一路の頼れる腕は、今も私を支えている。


親戚などいない私を、一路の家族は自分の娘のように扱ってくれ、遅くまで家の灯りがつかない日は携帯が鳴る。


『残業ならいいんだけど、心配になっちゃって』


おばさんの口癖にもなりそうな言葉。

いつも有り難く受け止め、そして感謝している。