水に燃え立つ螢

時任が、出張の時にかけてくる電話。

それは、半ば呼び出しに近い。


時任の実家はこっちにあるというのに、時任は必ずホテルに泊まる。
時任の泊まるホテルは毎回同じで、いつも私が訪ねていく。



時任と電話を切った後、適当に着替えを済ませ、ホテルに向かった。

電車を乗り継ぎ、タクシーでホテルに入る。



時任の部屋の前で、何故か今日は躊躇った。



『何してるの?』



自分に問いかける。


だが、右手が勝手に動いた…ノックしていた。



「会いたかったよ」



時任に引き寄せられ、そのまま胸に抱かれた。


会話もなく、いきなりキスから始まる。

段々激しさが増してきて、私も衝動に勝てなくなる。



壁を背にした私のスカートに手を入れ、乱れた呼吸で言った。


「濡れてるよ…」


服もまともに脱がず、其処で立ったまま貫かれた。

頭に押し寄せる真っ白な波に、私は飲み込まれる。


時任は短い声を上げ、物体を一気に抜いた。


「ゴムしてなかったからね」


白い液体が、私の太ももを伝って流れていた。


虚しさが溢れてきた。


泣きたくなる衝動は、太ももを伝う白い液体によって、遠去かっていく。
虚しくても、何がどうあれ、24時間のうちの一瞬の快感を求める自分がいる。

離れていた間の話をするわけでもなく、聞くわけでもなく、2回SEXする間は一緒にいるだけだ。