そうだな。
この男……?
いや、
ここん家との関係性も
変わったな。
あのしおらしかったシュライクも
今じゃこうだ。
俺とアレクトは元工作員の
情報収集能力を
うまく利用して情報屋を
やっていた。
割りとこれが儲かるんだ。
情報収集しに外へ出る時は
いいのだが、
コンピュータという
便利な物がない時代なもんだから
事務的な作業をする時は
まずめんどくさい。
自分の家だと絶対に
居眠りこくから
事務的な作業をする時は
シュライクの家に厄介になりに
行くわけだ。
迷惑極まりねぇな。
そして決まって
追い出されるわけだ。
あぁ……俺の至福の時間よ…
バンッ!
「いってぇッッ!」
いきなり扉が開いて
顔面にぶつかった。
誰だよチクショウ………。
「……ただいまー!
すっかり遅くなっちゃった!
お土産買ってきたよー!」
「………………オイ。
今帰って来んなよ…」
「いってぇ……なッッ!
いきなりドア開けんな……」
「あ。
ごめんねー?
だいじょう…ぶ……?」
漆黒の髪
灰色の瞳
…イセルナだ…………。
「………ッッ!」
「待て!
逃げんな!」
イセルナは俺を見るなり
血相を変えて逃げ出した。
やっと会えた…
やっと会えたのに……!
「オイッッ!
イセルナ!」
「……………ゼファ…。
なんで……」
「なんでじゃねぇよ!
それはこっちの台詞だ!
なんで逃げんだよッッ!?」
「なんですぐに
あたしだってわかるのよ!?」
「わからねぇわけ
ねぇだろッッ!」
「……………
あのバカッッ!」
「あッッ!
今度はどこ行くんだよ!?」
「うるさいッッ!」
俺ってそんなにうるさいのか?
さっきから
うるさいうるさいって………
どいつもこいつも………。
イセルナはシュライクの家へ
引き返して怒鳴り込んだ。


