「ここからは俺が話します。
イセルナはあの時
命を落としてるのは事実です」
「!?」
「でも………
同じエリアで同時期に
瀕死状態だったアンザックの
心臓を移植されて
今も生き延びています。
移植された当初は
拒絶反応がしばらく
続いていたそうです。
漆黒の髪、
灰色の瞳は生前の
アンザックと同じ色です。
色素の変化も拒絶反応の
一つだったようです。
普段のイセルナは
昔と特に変わった所は
見られないんですが、
要所要所で
アンザックらしい所が
見え隠れする事があります。
………一緒にあった剣が
イセルナの物だったので、
まさかとは思いましたが…。
本当にそのまさかでした。」
「その後も一度眠ると
数週間単位でしか
起きてきませんでした。
相当な疲労が
溜まってたんでしょう。
最近ですよ。
きちんと毎日
朝起きて夜寝る生活を
するようになったのは。
でも、
1週間前外に出て
帰って来た時の様子が
変でした。
あなたと親しい人と
会ったとかで………」
「アレクトか………」
「声をかけられて
逃げて来たそうです。
イセルナが居なくなったのは
その翌朝です。
あたし達が起きた時には
すでに居ませんでした」
「この変な書き置きだけ
残してな………」
「……なんだよそれ。
俺を避けてるのか……?」
「避けてるのではなくて
あなたに会う自信がないんです。
真実を知られるのが
恐いんです。
イセルナはあなたの知ってる
イセルナではなくなっている。
彼女はそう思っています。
それで会うのが恐いんです!
あの子の気持ちも
少しわかって
あげられませんか……?
たぶん……あの子は
自分の気持ちを整理するのに
少し出てったんじゃ
ないでしょうか?」
「………雑貨屋の女も
苦手だったけど
俺あんたも苦手だわ……」
「…………ずいぶん
ストレートに言いますね…」
「……エリシャも
もう居ないです…」
………なるほどなー。


