「居なくなるなよ」
「………え?」
「また居なくなる
つもりなんだろ?」
「だって……」
「ここに居れば……
自分で居場所を
探さなくてもいいだろ?」
「…………」
「ここに居ろ」
「なんで…なんで
そんな事言うの?」
答える術がない。
理由なんて必要か?
だって、
理由なんて最初から
一つしかないんだよ……。
「行かないでくれ…」
「ゼファ…?」
「居なくなるだなんて言うな。
ここならお前はお前でいられる。
違うか?」
「じゃあ………
朝まで逃げないように
閉じ込めといてよ…」
イセルナの口から
一番欲しかった言葉が出た。
……あぁ。
逃がすわけないだろ。
朝まで?
もうずっと逃がさねぇよ。
このまま寝かせねぇよ。
怪我しなきゃ
こんな展開にはならなかったよ。
なんか今はネズミが
いい奴に見えてきたよ……。
ありがとーうッッ!
ネズミありがとーうッッ!
「…………………………」
「……?
オイ………
……この……バカ…」
こいつ……寝やがった…。
寝やがったぞ!
誰が寝ていいだなんて
言ったんだよ!
………………………
………………………。
無理もないよな。
何年もまともに寝たことも
ないんだから…。
俺が毎日普通にしてる事。
イセルナにとっては
普通にできない事なんだから。
そのままイセルナを
ベッドに運んで………
さて俺はどうするか。
襲わない自信がないから
ソファで寝るか。
今日はゆっくり
寝かせてやろう。


