「いっそのこと
噂ホントにしてみる!?」
ふと考え付いた言葉だった。
噂が流れているのなら
タイミングがいい。
まぁこんなこと言ったとこで
またかわされるのがオチだ。
「噂?
知ってたのか……」
「女共によく言われるからな」
「あっそう」
「噂は噂であって
見た奴は誰もいない。
でも見た奴がいたらどーなる?」
「さぁ?」
「試してみないか?
俺に付きまとう
うるせぇ女が逃げてくか、
お前に付きまとう
しつこい男が逃げてくか」
「どーやって?」
どうやら噂の事は
イセルナも知っていたらしい。
なら話は早い。
ここからのこいつの
リアクションが楽しみだ。
ガラスに寄りかかる
イセルナの動きを封じた。
「……俺について来ればいい」
ここまで迫られても
まだ冷静さを
保ったままのこいつには
正直驚いた。
予定ではここまでやるつもりは
なかったんだけど……。
あまりの反応の薄さに
少々腹が立った。
冷ややかな視線が
俺を見つめる。
それを押さえ込むように
キスをした。
いつ平手打ちが
飛んでくるかわからないからな。
それを恐れ、
しっかり体は抱き寄せた。
その衝撃で剣が床に転がった。
ヤベぇとは思ったが、
ここでやめるわけにはいかない。


