ある日大陸外で
異端者の確認があったらしい。
名前はオリオール=イージス。
場所は月影島。
アルトルーシュカの近くにある島国だ。
大陸外での確認は異例で、
かなりヤバい異端者らしく、
確実に抹消できるか
わからないと言っていた。
それには工作員達だけでなく
一般兵まで一緒に派遣された。
ってか、
アルトルーシュカの人間が
外へ出る行為自体が
ヤベェだろ?
まぁそいつの何がどうヤバいかは
知らねーけど。
で、
結局そいつは逃げられたらしい。
まったくあんだけの
人数の連れてって任務失敗かよ。



そんな話を聞いたのは
俺が16歳のある夏の日だった。



「例の任務。
失敗だってな。
ターゲットに逃げられたってよ」
「あぁー……あれか。
上の奴等が何人も
出払ってて楽だったのにな」
「でも収穫は
あったみたいだぞ!」
「収穫ぅー?」
「異端者オリオール=イージスの娘を
確保したそうだ!」
「娘っていくつだ?」
「13歳」
「なんだよッッ!
ガキじゃねーか!
ちょっと期待しちゃったぜ!」
「そーなんだけど!
すげー美人だ!
将来有望だな!」
「見たのか?」
「武器製作部にいる。
出てくるとこ何度か見たからな」
「なんでまた?
一般的に考えれば
養成所に入れるような
年齢じゃねーのか?」
「すっげー頭いい子らしいぞ?」
「なんでそんなに
詳しいんだよ!」
「たまたま聞いたんだよ」
「盗み聞きか」
「まあな。
どうだ?
見に行くか?
行って損はないと思うぜ?」