「…………………ッッ!」
「どうした?」
「今の………」



あたしと同じくらいの背丈、
ハニーブロンドのセミロング、
なんとなく懐かしい気配、
けど自分より
かなり若いだろう。
今、
横を通り過ぎた女の子……。



『もう心配は
いらないみたいみたいだね……』



すれ違い際に一言囁いた。
後ろを振り返ると
女の子はあたしに向かい
軽く会釈をして
また再び歩き出した。



「………知り合いか?」
「違う……………」
「??」



幼い頃、
家で見つけた一枚の写真に
若い頃の父と共に
写っていた少女。
もしかしたら?
そんな風に思いながらも
この一瞬の出来事は
自分の中にしまっておいた。



……END……