お兄ちゃんが父さんに怒鳴ると、
父さんはあたしの肩に
ポンッと手を乗せて、
ちょっと黙れと言った。
そう言われると
もう逆らえないのだ。
「悪いな。
うちのガキが失礼な事をした」
「いや、構わん。
しかし何か興味深い事を
言ったな?
この団服がお嬢さんの家に
あると?」
「たぶん今もある。
ずっとお兄ちゃんの剣と一緒に
しまってあったんだよ」
「お兄ちゃんの剣?」
「あぁ、そーいや昔
大掃除してる時
俺が物置の奥に
しまったかもしんねぇな」
「でしょ!?
母さんのでしょ!?」
「母さんの……………?」
異国のおっさんは
お兄ちゃんの腰に目をやった。
「ファルクスッッ!」
「なんでおっさんが
俺の名前知ってんだよ!」
しかし、
異国のおっさんの言う
ファルクスはお兄ちゃんではなく
お兄ちゃんの剣だった。


