Another Episod by………

さすがと言うべきか、なんと言うべきか。なんなんだ? こいつはもう完璧に割り切ってるのか?………普段から俺達なんかより工作員は生と死の隣り合わせだからか?全く動じてないようだな。



「お前、確かアンザックとか言ったな?」
「そうだけど?」
「リシャールでは命の保証がない。個人的な気持ちを言ってしまえば俺だってあいつを行かせたくないに決まってるだろう。
たぶん………、イセルナは俺に黙って行くつもりだ。けど止める権利もなければ一緒に行く権利もない。何があっても守ってやる事が出来ない……。お前が行った時点でまだイセルナが生存していたなら……。あいつをよろしく頼む…。お前ならあいつを安心して任せる事が出来る……」



………正直驚いた。 ゼファは深く俺に頭を下げてイセルナを頼むと言ってきた。大切な人を送り出すとはそういう事だ。 誰だって辛いに決まってる。ただ工作員は個人的な感情を交えればやっていけないと
イセルナは前に言っていた。こいつだって工作員だから自分の感情を押し殺してるんだ。 真実を伝えれば逆に相手を傷付ける場合もあるんだな………。俺………こいつに悪い事……したかな?



「わかってる………。あいつは俺に任せろ。あんたを裏切る様な事はしない。イセルナよりも先にくたばる様な事はしない」



…………約束だ。