「あたしが居なくなったら
この家………
1人減っちゃうから……」
「お前……何言って……」
「お願い……
あたしの最後のわがまま聞いて」
「最後だなんて言うな。
それだけは聞けない!」
「お願い」
「………無理だ」
「せめてあと少し……
あたしに生きる力を下さい…。
確実に生きられる力を………」
何故この先の死が見えているのに
そんなに強く居られる?
イセルナの『最後のわがまま』は
あまりにも切実で
あまりにも切なくて
悲しかった………。
それは死の契約と等しかった。
その真っ直ぐな瞳は、
決して曲げる事の出来ない
彼女の想いを物語っていた
俺はこの
イセルナの『わがまま』から
逃げる事は出来なかった。


