「………はい?もっかい言って?」
「北部のリシャール地方をお前に任せる」
「………えッッ?なんだって?」
「もう言わない」
「………激戦区?」
「そうとも言う」



戦が本格化した。次から次へと出兵して行く中、俺が率いる第8部隊には 出陣命令が下らなかった。



「今まで干されてたのに…」
「許せ。お前達の部隊を早々に潰すわけにはいかなかった」
「………よく言うぜ」



ようするに。一番の激戦区に送り込むために残されてたわけだ。………なんだ?俺等はいつから特攻部隊になったんですかーっ? さっさと特攻して死んで来いって?



北部のリシャール地方って神族の玄関みたいに言われる場所だろ?神族の出入口がある場所だろ?



「で、まさか俺達だけで行く訳じゃないんだろ?他に2部隊位は送るんだろ?」
「あとは工作員が2名ほど送り込まれる」
「……そんだけッッ!?」
「大丈夫だ。神族専門の工作員がいるらしい。出発は明後日だ。準備と休息はしっかりな」
「…………………」



準備?死にに行くのに準備なんて必要かよ?死ぬ為の心の準備をしろだと?………その必要はねぇよ。死ぬ覚悟だなんてとっくにできてるぜ!じゃなきゃ軍人なんてやってねぇ………。