「師匠が出てきて………
アークティクに連れてけって言うから
それで連れてったの。
まぁ………正確には
遺骨を運んだんだけど」
「お前霊感あったっけ?」
「対神族用兵器。
それがあたし。
そのあたしに備わった能力。
死者との対話……。
みたいな?」
「なるほど。
………死者の魂は
神と同等…てね。
耳が腐るほど聞かされてたよな。
………で?」
「で、
アークティクに行ったの。
師匠の故郷に。
師匠の家系はね
アークティク最大の騎士団なの。
その騎士団を束ねる者が
託される剣。
それが宝剣デュランダル」
「月影島に居た様な奴が
そんな剣持つ程の
大物だったのか?」
「違うよ。
本当の持ち主は師匠の親父さん。
師匠はー、
弟探しに行かされてたんだよ」
「よく事情がわかんねーなー」
「まぁ細かいことは
いーんだよ。
その師匠の弟って
誰だと思う!?」
「知らねーよそんなのッッ!」
「びっくりするよ。
お兄ちゃんが師匠の
弟なんだよ!」
「………………はい?」
「お兄ちゃん」
「…………もっかい言って?」
「お兄ちゃん」
「………アンザック?」
「ご名答!」
「なんか頭痛てぇ話だな。
息子2人死んで
帰って来るとかな」
「びっくりだよねー」
「しかも片割れの心臓
移植された奴が
遺骨運んでんだもんな」
「あ。
そこまで知ってんだ」
「うん。
知ってる」
「じゃあ話は早いね。
率直に言ってしまえば、
親父さんは自分の息子に
できなかった事を
あたしでやったんだよ」
「できなかった事?」
「自分の息子を騎士として
立派に育てられないまま
居なくなられてるから」
「だから………」
「だからあたしを
騎士として育てる!って。
しかもデュランダル持ってたでしょ?
それを騎士の称号を持たぬ者が
使うのは許さんッッ!てさぁー。
あたしの事は
アンザックって呼ぶし……。
あたしは女だっつーの!
訓練厳しいしみんな恐いし…」
「サボればよかったじゃん。
得意なんだから……」
「こ……恐くてできない」
「なんで断らなかったんだよ?」
「強制的に決められて
逃げようとしたら
もう遅かった…………」


