伽羅子

何度か立ち止まり、呼吸を整えながら、俺はやっと裏山に到着した。

既に時間は深夜になっている。

完全な暗闇に包まれた裏山。

冷たい風が、木々を揺らしている。

ここからがまた一仕事だ。

一輪車に積んで運んできたスコップで、穴を掘る。

絶対に伽羅子の死体を発見される訳にはいかない。

野犬が掘り返して餌にするという話も時々耳にする。

掘り返されないよう、見つからないよう、深く掘る必要があった。