「増川先生」

突然名前を呼ばれ、全身が総毛立つ。

振り返ると。

「っっっっっ!!」

伽羅子が立っていた。

青白い顔。

俺の手形がくっきりと残った細い首。

先程首を絞められて悶絶し、涎を垂らし、涙まで流していた筋が、まだ残っていた。

俺はすぐに思い当たる。

脈まで確認をとった訳じゃない。

死んでいなかったのか?