女狐であり、同じ穴のムジナ。

伽羅子もまた、俺と同じく教師と生徒の『許されざる関係』を望んでいる。

俺はそう考えていた。

ところが。

「馬鹿を言わないで下さい」

伽羅子は冷ややかな視線を俺に投げかけた。

無表情のまま。

しかしその視線には軽蔑の色がありありと感じられる。

「関係を結んで、その様子を証拠として残して、それをネタに脅迫したり、泣き寝入りさせたりするんでしょう?」

嘲笑するような口調で、伽羅子は饒舌に俺に語りかける。

「相変わらず畜生にも劣る所業ですね、増川先生」