彼女は、俺に物怖じする事なく視線を向ける。

「増川先生…本当の用件は、そんなお話ではないですよね…?」

「……!」

ははぁん…。

俺は伽羅子の言葉にピンと来た。

成程。

控えめで人見知りで内向的な性格と思っていたが、なかなかどうして。

この女、とんだ『女狐』だったという訳か。

そうとわかれば話は早い。

「伽羅子」

俺は椅子にのけ反るように座り、足を組んだ。

「物分かりのいい女は嫌いじゃない…が、主従関係ははっきりさせないとな」

教師の仮面を脱ぎ捨て、俺はニヤリと笑みを浮かべる。

「跪け。屈服するのはお前の方だ」