キミのヤキモチ



「なんだ、ユウ?どうかしたのか?」



わざとらしいオレ。

詩織から離れてユウに近づき、ポンと頭に手を乗せながらその顔をのぞいてやった。

そしたらユウは、ただでさえ小さい身体をぎゅっとちぢめて



「な、なんでもないっ」

「え?おい、ユウ!」



いきなりオレの手を振り払って走り去った。



「ほら!だから言ってるじゃん。口で言えない分かなりショック受けてると思うよ!」



そう言って詩織は、教室の方へ消えたユウを追いかけて行く。

なになに?ちょっと大ごとになっちゃってる?

でもやっぱり、ショック受けてるとかって嬉しいかも…。



「なんかいいくね〜?」





そんな感じで

オレは自分勝手な楽しみで、大好きなはずのユウにどれくらい辛い思いをさせてるかも気付かずに、一人でいい気になってたんだ。

いつでも近づけるからって、近くにいれるのが当たり前だからって

わざと遠ざけるようなことなんかして…