「亮くん…」
振り返ったユウの隣に、あの店員がいることに少し尻込む。
なんで?
なにしてんの?
でも、重要なのはそんなことじゃないから。
「ユウ、オレお前に話あるんだけど」
「…私は、先輩に相談したいことがあるから」
「相談…?そんなの、いつもオレにしてくれてただろ。オレじゃなくても、詩織とか…」
「だって、亮くんや詩織ちゃんにはできない相談だもんっ」
「な、んでだよ…」
隣でユウの自転車を引いてたあいつが、コソコソと何かをユウに耳打ちする。
それがなんか、腹立って。
「ユウ…お前の居場所、そこじゃねーだろ!」
拳を握りしめて、大声で叫ぶオレ。
焦って、必死になってて
それがきっと、周りの奴らから見たらバカみたいで。
このままの関係でいい。ずっと一緒にいれるなら、別に彼氏だって名前なんかいらなって思ってたけど
今はいろんな不安とか、独占欲とかが混ざってきて
「こっち来いよ、ユウ!」
気持ち止めるのに、もう余裕なんてないよ。
「えっ、ちょっと…亮く、ん…」
ユウの腕を引いて、オレはあの店員から自転車を奪い取る。
一応申し訳ないって気持ちがちょっとだけあるから、一言添えて。
「すんません。オレ、どうしてもユウに用事あるんです。だから…、今日は帰ってもらっていいですか」
本当は、今日って言うより二度と来んなって感じだけど。
今は、絶対渡したくないから。
「……ユウがそれでいいならオレはいいけど?用事があるってオレを呼んだのはユウの方だし」
オレが振り返ると、ユウはうつむきながらオレの制服の裾を握る。
そんな仕草が、どうしようもなく可愛い。

