くそっ…
なんだこのイライラは!
楽しそうに歌うタケルと、手拍子を入れる詩織と。
あのでかいぬいぐるみを、ずっと抱えてるユウと。
「亮、次お前の入れた曲だぞ。歌わないならオレが歌うけど」
「歌う!」
身体全体から、力が抜けないままマイクを握るオレと。
どうせこれはゲームなんだから、オレが決めたことなんだから。
いつ止めたっていい、やっぱりこんなの今すぐ止めれば……。
そうしよう!
そう思ってたのに……
「なんかのど渇いたし!」
「じゃあオレとユウちゃんで買いに行くわ。亮は詩織とデュエットでもしてたら?せっかくだし」
「あぁ!?」
このやろー、タケル!
面倒だとか言ってたくせに、余計な時に演技入れんじゃねーよ!
オレが今ユウを誘って買いに行こうとか思ってたんだよ!
分けわかんないくらいすべてが空回りする。
ユウはまた、気まずそうに苦笑いするだけで…
「待っててね。亮くん、詩織ちゃん」
違うんだって、ユウ!

