「ふう―・・。 ちょっと頭冷やしてくるね。」 少しでも雨の音が 聞こえない場所に行きたかった 「紗裕!」 雨の音に負けない 彼の声が私に届いた 「――何処にも行かないから」 静かに落ち着いた 口調で呟いた。 まるで私に― 言い聞かせるかのように。 ―――ねえ? あなたには私の心が 見えるんですか? あなたには私の過去が 見えるんですか?