一つ前の座席に座る彼。


綺麗な整った顔を歪めてこっちを上目遣いで憎たらしそうに見つめている。


――――いや。
正解には睨んでいると言ったほうが適切かもしれない。



「ごめん・・・」



「はあ―――っ


お前さ―

どんな夢見たらそんなに寝ぼけられるんだよ―・・・」


彼は呆れた声を漏らしながら深いため息をついた。



「え―とっ。
なんか、あ―・・・あっ!


そう!いきなり、おやつのケーキに足がはえて逃げそうになってたのを追いかけたの!


そう、そうなの!」



我ながら意味不明の
言い訳だな―・・



「ふ―ん・・・。

それは、さぞ!
大変でしたろ―ね。」


そう言って彼は
また微笑んだ。



ほら、また見透かした
瞳で私を見る。