初恋ドロップ



「なんでもないから!」

首筋に伸びてきた駿の手を振り払った。


恥ずかしくて、惨めで
頬と目頭が熱くなる。


「・・・ご・・めん。でも、本当に何でもないから」



俯きながら必死に話した。


溢れてきそうな涙が見えないように・・・


走って教室を出た。


家には帰らず、屋上へ向かった。

屋上で辺りが暗くなるのを静かに待った。


首筋の跡を誰にも見られたく無かったから。