―12月

季節はすっかり冬


朝、学校へ行くのが辛くなる冬

だけど、今の私の心の温度にはこの冬の寒さがちょうどいい



ドカッ!



「いったあっ!!」
後頭部に激しい痛みを感じた


こんなことするのはただ1人


「ま―り―こ!痛いでしょお?!」


「ふふっ幸せボケしてる誰かさんが悪いのよお!」


「///ボケてないもん」


「幸せは否定しないんだぁ~?
それより、私に感謝しなさいよねえ~」

悪戯っぽく笑う麻理子



「う"っ・・・」

そう、劇の前日練習の時の
麻理子の言葉


―自分に素直にね?―


この言葉があったから
私は体育館で叫ぶことができた


「―ありがとう・・・」

「私はあんた逹の恋のキューピッドってわけよ!」

声高らかに笑う麻理子に
突っ込む元気もない