季節は秋


夏の暑さがほとんど
過ぎ去った10月半ば


「じゃあ!今から文化祭の出し物決めま―す!」

少し乾燥した教室に
委員長の麻理子の
高い声が響いた


「はい!はい!はい!
劇でシンデレラやりたいで―す!!」


勿論主役は俺で!と付け加え彰君が立ち上がった

「なんでアンタが王子様なのよ―」

「やだよね―!」


女子たちから一斉の
ブーイングが起こった


「主役は勿論!駿くんだよねぇ!」


浅野君が主役なら言い訳で劇自体にはみんな賛成らしい様子


「はい!じゃあ!王子様は浅野君で決定!」


「はあ!?俺やるなんて一言も―・・・」


「はい!はい!次シンデレラ決めるわよ~」

麻理子のテンポの良さに浅野君の意見も無視された。


諦めろ!彰君に肩をポンっと叩かれなだめられている。




「浅野君人気だよねぇ!美紀シンデレラしたいなあ~」


竹本美紀(タケモト ミキ)
天然でほんわかした可愛い子


麻理子が休み時間に委員会などでいない間になんだか仲良くなった。



「美紀なら可愛いからシンデレラ似合うと思うよ?」


うんっ!本当に美紀はシンデレラって感じだもん!