「嫌いなのよ。 この声も、この髪も この指も、この瞳も。 …………全部全部嫌い!」 そう続ける彼女。 「……」 言い終えた彼女は そっと様子を伺うかのように 僕を見上げた。 そして 気が落ち着いたのか、 はっとした様子で 視線をずらした。 「……それは残念」 そう一言添えながら 僕はもう一度彼女に触れた。 今度は、 「愛の挨拶」を奏でる その指に。