ガタンガタン━

「ご乗車のお客様にお願いです。 携帯電話をマナーモードにしていただくか、電源をお切り下さい。」

電源切らなきゃ。

「ねぇ、優奈?? 今どき電源切るヤツとかいないよね??笑」

え゛…わたし切ろうとしてたんですけど…

「だ、だよねー…??」

「ゆ、優奈!! あの人見てッ!! かっこいいよね?」

莉奈が指さした先を見ると…何というか、顔立ちが整っていて、綺麗な男の人が立っていた。

「うん…っていうか、かっこいいっていうより、キレイって方が似合ってない?」

「うん!! わかる気がする☆」

莉奈は、もうメロメロで目がその人に釘付け。

「桃ヶ丘駅━桃ヶ丘駅でございます。 お降りになられるお客様は、ボタンをお押し下さい。」

わたしは、迷わず━

ピンポーン

え?…

「優奈っ!! あの人も次の駅で降りるんだねっ♪??」

プシュー

「桃ヶ丘に到着。」

「おりよ…」

わたしは、少し不機嫌になった。

あの人が━あの人が、ボタンを押した時、少し嫌みっぽい笑みをわたしに向けたから。

「優奈ー?」

「…なんで…??」