ヒロが迎えに来てくれたときには、空はすっかり漆黒に染まり、たくさんの星の代わりに雲で覆われていた。


『こんな時間からで平気なの?』


『大丈夫でしょ〜。気にすんな。』



ヒロは社会人になってから、さっそくローンで黒のセダンを買った。


真新しい車の特有の匂いに気持ち悪くなりながら、あたしは窓の外を眺めた。






今日からあたしには新しい家族が出来る。