『何言ってんの?』

嘲笑うかのように祖母が言った。



『学校はちゃんと卒業するから。』


『あんた家事だって、ろくに出来ないくせに。甘えて生きてきたのに無理に決まってる!』

『そんなの分かんないじゃん!』


トーンの上がる祖母の声に影響されて、あたしも声を荒げる。



『あのヒロとかいう子でしょ?学歴もないバカな男に引っ掛かって‥。すぐあきるに決まってるんだから。』


大好きなヒロをバカにされたのが悔しい。


喉が苦しくて、唇を噛み締めた。


『そんなことない!』


祖父はため息をつくばかりで何も言わない。


祖母は俯いて、手で顔を覆う。


『こんな年になるまで苦労して育てて…いい子に育って安心だと思ったのに…なんであんな男と…。あんたは頭だっていいし、美人だしもっといい相手て結婚出来る。…考え直しなさい。苦労するのはあんたなんだから。』



噛み締めた唇が痛くて‥


ヒロを見下す祖母に頭にきて‥



『もう決めたから。』


それだけ言って、自分の部屋に戻った。