プロポーズの翌日


あたしとヒロは最初にそれぞれ自分の親に結婚の話を切り出すことにした。



あたしには父親はいない。
写真さえ見たことがない。


母親はあたしを一人で産んで、母親の両親。つまりあたしの祖父母の戸籍にあたしを養子で入れた。


母親は仕事で東京に住んでいて月に一度帰ってきていたが、あたしが高校生のときにアメリカに行ってしまった。



あたしにとっての両親は祖父母だった。