ブーツのヒールを鳴らして歩く。


今年もそんな季節がやってきた。



『ヒロ!!待ってよ!!』


『早くしろよ!』


あたしは自分よりほんの2センチ程、背の大きい恋人に後ろから抱き着いた。



ヒロの黒のベロアのジャケットの左ポケットに勝手に手を突っ込む。



『ヒロの手あったかいね‥』



ポケットの中で繋がれた手の温もりに嬉しくなった。