ふと、あることに気づいた。
天使の視線が私の手に注がれていたから。
《なぜ?君も人間なのに、傷つけたはずなのに、そんな涼しい顔で立っていられるの?》
弱々しい、戸惑いのある声が頭に響いて来た。
《これは、天使の声なの?だったら》
「痛くないわけじゃないよ。少しでも気を抜いたら痛みで倒れてしまうよ。ただ、」
《何で?何で?今まではみんな逃げたのに、それに、誰も僕の声を聞いてくれなかったのに。》
天使は私の声を遮って話した。それほどまでに、この状況に焦っているのだろう。
「私が君を必要としてるから、そのためならこんなのたえられる。」
私は、落ち着かせるために、静かに優しく話しかけた。


