次の日、学校に行くと周りは皆ある話題で持ち切りだった。
それは今、話題の超人気アイドル高杉龍介の話だった。
11歳で芸能活動を開始して、13歳で歌手デビュー、今ではドラマや、雑誌でも引っ張りだこになるほどの超人気アイドルなのだ。
たぶん、彼の名前を知らない人はいないだろう。
私はアイドルとかには興味ないし、そんなに知っているほどではないけど、周りがその話をするせいで自然に覚えてしまったのだ。
「おはよ!」
春佳が私に挨拶した。
「おはよ、春佳!」
「それにしても、周りみ〜んな高杉龍介の話題で持ち切りね。」
春佳が呆れたように言った。
「そうだね。」
そんな風に話ていると、よっくんが私達の方に駆け寄ってきた。
「はよ、ってか朝から周りみんな高杉龍介の話ばっかだな〜。」
「それ、私がさっき言ったんだけど。」
「えっ、そうなのか?じゃあ春佳も高杉龍介のファンなのか?」
よっくんがちょっと焦り気味に言った。
「私、アイドルとか興味ないし。」
「そっか。」
よっくんがホッとした表情をして言った。
もしかして、よっくん春佳のこと……。
すると、予鈴が鳴り、一時間目の授業が始まった。

