帰り道。


私の家は春佳の家と方向が逆のため、途中で別れて帰った。


私がトボトボ歩いていると、前から不良達が私を見てニヤニヤと笑っている。


私はできるだけ、顔を背けた。


「ねぇねぇ、彼女これから一緒に遊ばない?俺、君みたいな子、超タイプなんだけど♪」


その中の一人が、私の前に来てそう言った。


「結構です。」


「え〜、そんな事言わずに行こうよ〜♪」


と、言いながら私の腕を掴んできた。


しつこい!!


「これから用事があるので!」


とにかく冷静を保とうと必至だった。


そんな時、誰かが大きな声で言った。


「お前ら、何やってんだよ!」


その声は前の方から聞こえた。


声がした方を見てみると、そこにはサングラスをかけた男の人が立っていた。


「なんだてめぇ、やんのか?」


不良達は指をポキポキ鳴らしながら、いかにも喧嘩する気、満々というような顔でその男に近づいた。


さすがにこれは、ヤバいんじゃない?


「上等だ。」


その人がそう言うと、不良達は一斉にその人に殴りかかった。


ヤバいと思った途端、その人は次々に不良達を倒していった。


カッコいい。


その光景が漫画や、ドラマを見ているようで、つい見惚れてしまった。


そして、その強さに負けた不良達は、慌てて去っていった。