舞斗の影は暗くて、狭い道へと消えていく。


なんとか見落とさないようにと、必至で追い掛けた。


「舞斗!」


やっとのことで、少し距離が縮まった時、私は叫んだ。


その声に反応して、舞斗は足を止めて、こちらに振り向いてくれた。


私は舞斗にもっと近づこうと、駆け出した。


私の気持ちは、もうすでに舞斗に会えたという喜びで満ちていた。


私が傍に行くと、舞斗は随分驚いてる様子だった。


目が大きく、丸くなってるから…。


でも、私はそんなことよりも聞きたいことがあった。


「どうして日本にいるの?」


私がそう聞くと、舞斗は黙ったまま俯いた。


「何かあるなら言ってほしい。私達、双子なんだから…。」


自分で言っときながら、少し傷つく…。


でも、この思いは舞斗にバレちゃいけないんだ。

すると、舞斗が口を開いてくれた。


「…親父、浮気してる。」


……え?