午前中の授業が終わり、昼休みになった。
私はお腹を空かせながら、春佳と屋上にお弁当を持って行った。
地面に座ってお弁当を広げると、私は口を開いた。
「春佳、よっくんの…「えっ!」
春佳は私が言った“よっくん”の名前に反応したのか、さっきまで動いていた手を止め、目を大きく見開きながら頬を赤く染めていた。
そんな春佳を見てると、なんだかいじめたくなってきた。
「…で、どうなの?」
「えっ!な…何が?」
本当は分かってるくせに、知らない不利をして誤魔化している春佳は、可愛いかった。
『恋する乙女』って感じ。
私はそんなことを思って笑いを堪えながら、お弁当を食べていた。

