「そういえば、舞歩ってどうしていつも告白されても断ってんの?」
春佳が私の顔を覗き込んで、聞いてきた。
「舞歩はモテるんだから付き合っちゃえばいいのに…勿体ないよ。」
…私が誰とも付き合わない理由、それは舞斗がいるから…。
こんなことが言えたら、どれだけ楽になるだろう。
大好きな人がいるのに、他の誰かと付き合うなんて出来ないし、もしそんなことをしたなら“最低”だと思う。
「もしかして、好きな人がいるから…とか?」
春佳の言葉に驚いて、私の体がビクッと飛び跳ねた。
「えっ、もしかして当たっちゃった?」
また、春佳が意地悪に聞いてきた。
私は春佳のその言葉に黙ってしまった。
「え〜!嘘ぉ〜!」
春佳は手で口を抑えながら少し興奮気味に言った。
「でも舞歩が好きな人なら、よっぽどカッコいい人なんだろうね♪」
「私…見た目で人決めないけど?」
「まぁまぁ♪」
肩をポンポンと叩かれた。
「で、どんな人?」
春佳に目を輝かせながら聞かれた。
「えっ、それ聞くの?」
私は少し焦り始めた。

