ピーーーーッ
最終試合開始の合図。
コートに両チームの選手達が入る。
えっくんもいた。
「あらら、宮越、出るんだ?」
面白そうに中林先輩が言った。
「ずっとベンチ組でいるのかと思ったんだけどね。」
「えっ!宮越君、出てなかったんですか?」
「うん。格下だから当然かなって。…あ、高原さんが来たからかなぁー?」
クスクス笑う先輩と、ズルイって表情の弥生に、正直困った。
…だって、私もえっくんも、そんな気持ちをお互い持っていないから…。
困ったな、なんて思いながらコートに目を移す。
と背の高い選手達の中で一人、とても目立つ子が、いる。
……あれ? なんだか…。
「ねぇ、あの子、ちっさくない?」
弥生がボソッと呟いてきた。
「う、うん…」
確か、全員が中3のみで。の練習試合だって、聞いていた気がするけど…。
その子はなんだか、小学生に見える。
