どうして。

こんな事になったのか、混乱する頭で考える。


…よく、判らない…。


判らないけど。

もう、逃げられないのだけは、解る。



芹沢先輩は、もう居ない。
ミホちゃん達も戻らない。

何故か、宮越君達までどこかに消えている。


テーブルには、穂杉君と2人きり。



穂杉君は、うっすら赤い顔でこっちに戻って来てから、一言も話さず何かを待つ様に、空っぽのコップばかり見てる。


―――後は任せて。早苗ちゃんはちゃんと、気持ちを伝えた方がいいよ。



去りぎわの、芹沢先輩の声が心に浮かんでくる。

ドキドキする気持ちを抑えたくて、両手でぎゅっと胸を握りしめる。


…深呼吸、して…。



「あ…の…………ほ、穂杉く…んが、…す…す…好き…です。つ…つき、あっ…て、下さいっ…!」