それから駅までの15分は、とても楽しくてあっという間で…。

もう…お別れだ…。


「高原さんは高等科に進級するの?」

「うん、そのつもりだけど、穂杉くんは?」

「俺は受験組。…そっか、忙しいんだな、俺達ってさ。」


そう言って、カラリと笑う彼に、顔が赤くなりそうで…。
なんだか胸の辺りがキュウッとイタイ感じがする。


まもなく電車が到着します。と、駅ホームにアナウンスが流れ、滑るように電車が入ってくる。


「あっありがとう、…ホームまで送ってもらって。…バス、大丈夫?」

「大丈夫だよ。じゃあ、気を付けて、またね。」


彼に手を振って、車内に乗り込んで直ぐにドアがしまってしまう。

動き出した窓から見ると、ずっと電車を見送ってくれていた。