勉強も終わってちょっと一息ついていると、開いているドアをノックして、男の子が入って来た。




こ、この子ってば!


「えーいーきー、……あれ?お客さんが来てるの?…後のがいい?」

「あー、…いいよ。何?」

「うん、俺もう帰るから、おじさんとおばさんによろしく伝えてくれない?」



突然のことで……。
頭の中が真っ白で…。
……彼が、あの時の子が、なんで、ここに居るの?

…ああ、やっぱり、小さいよね。

………身長が175cm超えているえっくんの、胸の高さしか、ない。


「何?」

「え?」


怪訝そうな顔をしている彼が、私をじっと見ていた。

わっ。
もしかして、見つめちゃった?


えーと…困ったなぁ…。
なんて言ったら、…何を話したら…。
ああっどうしよう…。



「あー気にすんな、こいつ、ちいせーから、すぐ突っ掛かるんだ。」


そう言って、えっくんが私を見て苦笑している。


「ちっさい言うな!」

「ホントのことジャン。注目されるのって、いっつもソレだけなんだろう?
試合よりもさ、小さいのが頑張っているって。そればっかりだって愚痴るジャンよ。」


気心が知れている相手だと、キツイ話し方するえっくんの言い方が、更に、キツく聞こえる。

嫌っているんじゃないかと…思う程。