3人の き も ち



誰?
私の知ってる子?
何年生?
かわいい?



「うるさいっ!さっさと勉強しろよ!」


私の矢継ぎ早な質問に、真っ赤なまま怒りだすえっくん。

なんだか、かわいいよ。
こんな一面もあったんだー。

笑う私に、ジロッと睨んで、それからは一言も喋らなくなって。

ごめんねって言っても真っ赤なまま黙っているから。
仕方なく教材を広げて、淡々とできる所から終わらせることにしよう。



しばらくして、えっくんが私を呼んだ。

「早苗…は、いる、のか?」

「えー?何が?」

「だ…だから……。」

「?」

「いや……なんでも、ねぇよ。」

「そう?」



…時々、えっくんはよく解らない事を言ったりする。


そうか、好きな女の子ができて、私に協力して欲しいんだよ!
恥ずかしくって、言えないんだよ!
なぁんで気付かなかったのかなぁ!


「大丈夫だよ!ちゃんと協力するからね!」

「…はぁ?」


うわぁ、恋のキューピッドってこと?
ドキドキしちゃうよー!



あれ?気のせいかな…。
えっくん…困った顔してる?