3人の き も ち



伸に好きな人がいたら、どうしよう
誰かに告白されてたら、どうしよう



あの頃、散々見た早苗の泣きそうな顔。
同じ顔をして、映樹を見ている。


ドキリ というか。
ギクリ というか。


映樹は腹が座った感じがした。

今日、言おう。
ちょうど部活は休み。

ゆっくり早苗の側に行き、久しぶりに正面から顔を合わせる。

そして、話がしたい。
と言った。

「放課後、いいか?」

「う…うん。」

「じゃあ、後でメールする。」


それだけ言って、お互い教室に戻る。
不思議と動揺は無かった。



やっと前に進める。
結果がどうであれ。

そんな気分だった。