3人の き も ち



誰も、映樹に伸の話をして来ない。
おかげで平和に過ごせる。


昼休み中、廊下で皆に言われたアレコレを考えていたら、亜矢子とすれ違う。



…アレ?

「…お前、最近絡んで来ねーな。」

助かるけど、と映樹は思って ポロリとこぼす。
すると亜矢子は心外だ、という顔をしてこちらを見てくる。

「当たり前でしょ。風当たりも無くなったんだし、もう必要ないじゃない。」


風当たり、が酷かったのは早苗だった。
…それは、つまり…。


絶句する映樹を亜矢子はチラリと見て視線を外す。


「ちゃんと早苗ちゃんに言った? 返事もらった?」

「えっ。」

「なによ、しっかりしなさい。早く言わないと、色々勘違いされて困るわよ。」


亜矢子の視線の先、早苗がいた。