3人の き も ち


案の定、というか。

翌日の校内は、伸の話で持ちきりだった。




スゲー、背が伸びてンの!

何かさぁ手続きをし忘れたとかで、一時帰国ってヤツ?

すぐ向こうに戻るって、帰ったよなぁー

帰るって、自分ん家?

映樹ンちに寄ってからって言ってたよ

私も会いたかったー

穂杉君と話したの?いいなー

あ、話といえばさぁ

高原とどうなったわけ?

2人きりで話したらしいよ

マジで!?

あっ、おい!

しーっ




「お、おはようっ宮越君っ。」

「…おす。」

ざわつくクラスメイトの間を抜けて自席に座る。

映樹はふと、そう言えば、昨夜兄の芳典が、元気そうだったよ、と言った言葉に。
ひどく安心したのだけは覚えてるな、と心の片隅で思った。