冬の寒さが時折、和らぐ様な日差しがでる様になった頃。
部活のミーティング終了後、映樹の側に、ちょっといいかな。と、弥生が来た。
「何?」
「早苗のことなんだけど。」
俺に何か言いたい事がある、という感じは気付いていた。
こいつも、ある程度解る間柄の一人。
だからその名がでる、ということは、何を言いたいのかも予測はつく。
「聞きたくねーな。」
本当に聞きたくない。
映樹はつっけんどんに返すと、鞄を持って教室を出ようと立ち上がって歩き出すが、弥生は追いかけてくる。
「嫌だっつーの!」
「子供みたいに駄々こねないでよっ。」
おー?
また夫婦マンザイかー?
そんなからかいの声に、ふざけんな!と怒鳴り返す。
そのまま、弥生を振り切る様に出て行った。
